某タイヤ屋さんに勤めていた時の事、お客様の車ごと預かり納品することになった。新品のタイヤを装着して、お客様のところへ納車に向かう道中、大阪中心部の片側二車線の道路を南下していた。信号に差し掛かったところで、側道から本線に合流すると思しきタクシーが目に留まった。こちらは本線の右側車線を走行中であり、法定速度で信号に進入した。信号を通り過ぎるころに後ろから、ゴツッと鈍い音がしハンドルがとられた。タクシーが真横から後ろのバンパー付近に接触したのだ。いわゆるオカマを掘られたのだった。必死にハンドルを抑えるも、車は本線と側道を分ける分離帯に乗り上げ、街路樹に衝突。軽い胸の痛みがあっただけだが、生まれて初めて救急車に乗って病院へ。上司から診断書を忘れずとってくるように言われた。その後の示談は上司が対応したので、後日談として聞いた話だが、あろうことかタクシー会社は任意保険に非加入だった。だが社長が直々に会社に出向いて来て、全額弁償するということだった。こちらには大手保険会社がついている。ところが何と、以外にも揉めたのは大手保険会社のほうだった。お客様は事故車には乗りたくない訳で、車を新しくすることを希望した。一方保険会社は、修理可能な車を新車にするわけにはいかないという。圧倒的に負担割合が低いにもかかわらずだ。最終的に誰が妥協したのか、当事者の自分には知らされなかった。

33歳男性 H.Mさん